車のエアコンが冷えない?
車の中は、夏場には猛烈に暑くなりますよね?
最近の車はほとんどエアコンを搭載しています。
カーエアコンはもはや欠かせない装備となっていますが、そのエアコンが効かなかったら、どうします?
夏場の移動がかなり大変になるかと思います。
他にも、エアコンには除湿の作用があります。
ですので、車内の湿度が上がっていたりして車の窓ガラスが曇っている時などにエアコンを使えば、効果的に曇りを抑えることができます。
安全運転のためにも、カーエアコンは使用する意味があります。
エアコンの原理
エアコンは、物質が液体と気体に状態を変化させる性質を利用しています。
ある物質の液体が蒸発する時(気体になる時)、その物質は周囲から熱を一緒に奪う性質があります。
ちょうど、病院に行くと皮膚を消毒用アルコールで消毒することがありますが、アルコールを塗られるとその部分がスーッと冷たくなる感覚があると思います。
これは、アルコールが蒸発する時に体温を奪うために、冷たく感じるということです。
エアコンはこの原理を利用しています。
エアコンは熱交換器(エバポレーター)を冷やし、そこに室内の空気を循環させることで冷たい空気にします(エアコンを作動させると冷たい空気が出てくるのはそのため)
この熱交換器を冷やすために、冷媒(エアコンガス)を使用します。
冷媒は通常では気体ですが、これをコンプレッサーで圧縮して高圧の液体にします。
液体になった冷媒は、車のエンジンルーム前方のグリル(通気のための網、の意味)付近に置かれたコンデンサーに送られます。
そこで外気によってある程度冷媒は冷やされます(まだ液体のまま)
ある程度冷やされた冷媒は、次にエキスパンジョンバルブによって気体へと膨張させられます。
原理的には、エキスパンジョンバルブは液体を小さな穴から噴射させることで気化させます(気化することで冷媒の温度は下がる)
低温低圧の気体になった冷媒はエバボレーターに送られ、エバポレーターが室内の空気と触れることによってその空気を冷やし、冷えた空気はファンによって送り出されることによって冷たい空気が送り出されることになります。
この循環を繰り返すことで、室内には冷たい空気が送られ、熱が外部に放出されることになります。
冷えないのはエアコンガスが抜けたから
エアコンを長年使用していると、冷たい風が出てこなくなってきます。
これは、冷媒であるエアコンガスが外部に漏れ出てしまうために起こります。
熱を交換してくれる冷媒が無くなってしまうと、熱を交換する機能が働きません。
エアコンガスが漏れる原因は、冷媒が通る配管に穴が空いたからだったり、部品と部品のつなぎ目に使われるゴムのパッキンが劣化することで起きたりします。
ガスチャージは自分でできる
エアコンガスのチャージは、自分でもできます。
ただし、方法を間違えると空気が混入してしまい、エアコンシステムがうまく働かなくなってしまう可能性があります。
ですが、やり方さえ間違えなければ、カーディーラーなどに依頼するよりもかなり安くガスの補充はできます。
必要なもの
- シングルゲージタイプのチャージホース(1600円から2000円程度)
- 補充用エアコンガス(1本あたり600円程度、2本あればチャージには十分)
- ぬるま湯とバケツか洗面器
方法
- 車のボンネットを開け、エアコンガスの配管を見つける
- チャージングホースのニードルを縮めておく
- ガス缶とチャージングホースを仮接続する(しっかりねじ込んで接続しておく)
- (ニードルはまだ伸ばしてはいけない)
- エアコンの配管のL(低圧のLowの意味)と書いてあるプラスチック製のキャップを外す
- チャージホースとLの端子を接続する(ややコツが必要)
- 接続できたら、仮接続していたガス管とホースを少しだけ緩める(プシュっと音がしら数秒間、チャージホース内の空気が押し出される程度に)
- 再びガス缶とホースを締めて接続する(これでホース内の空気が追い出された状態になる)
- エンジンをかけ、エアコンを回す
- エアコンを1番冷える設定にする
- 風量も最大にする
- チャージホースのニードルを伸ばしてガスの菅に穴を開ける
- 再びニードルを緩めるとガスが注入される(ぬるいお湯でガス缶を温めるとガスが入りやすくなる)
- ゲージを見ながら様子を見る
- 入れ終えたらガス缶のニードルを伸ばしてガスの流入を止める
- Lの端子との接続部分を解除する(ただし、なかなか取れにくい)
注意点
- ガスを入れる量は、チャージホースについているゲージを見ながら調整してください(ガスの入れすぎはよくありません)
- また、エンジンをかけている状態ですので、手や衣服を機械に巻き込まれないように注意してください
- エンジンは高温になるので、間違って触らないようにしてください
- Lのキャップは無くさないようにズボンのポケットに入れるか、紛失しない場所に置いておくことをオススメします(作業中の車に置いておくとどこかに転がっていって行方不明になることもある)
- ぬるま湯は使わなくても大丈夫です(ややガスを入れるのに時間がかかるだけ)
- ガス缶に穴が空いていない新品の状態のとき、あるいはまだガス注入を始めていないときにガス缶をお湯で温めないでください
なお、Youtubeで「カーエアコン ガスチャージ」と検索すれば、ガスチャージの方法を説明している動画を見つけることができるかと思います。
なお、不具合が起きても自己責任となります。
作業に自身が持てない場合はカーディーラーや整備工場などで補充してもらうようにしてください。
また、プリウスなどのハイブリッド車や電気自動車はそれ専用のコンプレッサーオイルを使っていて(POEオイル)従来の車とは種類が違いますので、混入を防ぐためにも対応した設備を持っている業者に依頼するようにしてください(整備工場によってはチャージホースを使いまわしている場合があります)ご自分で作業する場合は、道具を揃えた上で自己責任で行ってください。
費用は自分で行えば4000円程度、業者に頼めば1万円程度です。