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高速道路を活用する

2020年3月1日

高速道路の歴史的背景

世界で最初に高速道路が建設された国はイタリアだったそうです。1924年です

このころの世界というのは、大恐慌が起こる手前の好景気の時代です

歴史的には…
1918年 第一次世界大戦が事実上終戦する
1929年 アメリカ発の大恐慌が起こる

まさに、戦争が終わって好景気の時代に、世界初の高速道路が作られたわけです

なお、世界的には帝国主義の時代であり、欧米列強は植民地を持っているような時代です

日本では中産階級が増えたことによって社会構造が変化し、大正デモクラシーと呼ばれる民主主義や文化の発展と、それに伴う社会が形成されていた頃にあたります

軍用目的から経済目的へ

最初の頃の高速道路は、軍用目的が強かったようです。ドイツの高速道路アウトバーンは、一部を飛行機の滑走路として使うために作られています

大恐慌後

ヒトラーが政権に就いたのが1933年、その後、ドイツにおいてはアウトバーンの建設が進められていきます(第二次大戦前までにおよそ4000km。日本の高速道路の総延長距離が2017年4月時点で9341.1kmなので、この時代にすでにここまで高速道路建設を進めたことは驚異的と言えるのではないでしょうか)

その後、世界中で高速道路が建設されていくことになります

日本においては、高度経済成長期の1963年に、ようやく最初の高速道路が開通しています(名神高速道路栗東IC - 尼崎IC)

モータリゼーション

T型フォードの生産が始まったのが1908年です

1927年の生産中止までに約1500万台が販売されました

この車によって、馬車から車へと乗り物がシフトしました

また、ドイツにおいては国民車構想が持ち上がります

フォルクスワーゲンですね

国民車構想は、自動車の軍事利用のための性能向上策として、また国民の福利厚生の向上を目的として推進されました

アメリカにおいては自発的な変化だったようですが、ドイツにおいては国家主導であったところが興味深いところです

今後、高速道路は作るべきなのか

高速道路は物流を活発にさせました

経済にとっては、物流が活性化することによって、地方都市にまで経済的な効果が波及します

富がある地域に集中することを緩和できるし、雇用も生み出すことができます

ですが、経済が発展してしまった時代においては、追加してこれ以上高速道路を作ることに意味があるのか、問われることになります

重要な道路から作られていくのですから、いまだに作られていない高速道路というのは、諸般の事情があったとしてもやはり優先順位が低かったものだろうとしか考えられません

つまり、緊急性、重要性が低い、と見るのが普通です

無駄な道路というけれど…

ですが、地域住民にとっては必要だから道路計画がある

必要なんです

国全体としてみたときにはそれほど優先順位が高いわけではないけれど、地域にとっては必要
これって、どうしたらいいんでしょうね?

それを決めるのが政治です

国全体のインフラを整えていく方向性は、国全体のグランドデザインにも関わりますし、もしかすると地方分権などにも関わってくるところですが…

高速道路は東京を起点にしていて、過疎地になればなるほど整備されていきません

各地にハブ的に道路が整備されていかないところを見ると、日本というのは中央集権の国家であるんだな、と感じます

やはり不況に道路は効く?

雇用創出効果

道路を建設することで、雇用が生まれます

これは道路建設に人員が必要ということもありますが、関連する産業にも波及するし、さらに道路が使われることで経済が発展し、その結果雇用が生まれるという二次的な効果も期待できます

低金利

道路を作るのにはお金がかかります

高速道路を1キロメートル建設するには、最低でも40億円はかかります

巨額な投資になりますね

思ったのですが、不況の時は失業率も上がるし、経済も不景気なので金利が低い傾向にあるはずです

特に、いまはゼロ金利政策が取られているくらいですから、お金が安いわけです

そんな時を狙って道路建設をしていけば、雇用も増えるし、お金も割安で調達できるから作りやすいのではないでしょうか?

地域経済

観光にもたらす影響

高速道路があることで、地方経済が潤います

人の往復が増えるということはどういうことか、というと、人が持つ情報も入るし、ものも入るし、お金も移動する

地方にとっては欲しいものばかりですよね

なので、単純に考えて、高速道路を作ることで、地域は活性化するはずです

産業にもたらす影響

産業としては、どこで作っても同じものならば、地方で作っても同じです

移動させて持って来ればいいだけです

なので、

地価の安いところに大きな工場を建て、安く製品を作りさえすれば、運送費がかかったとしても元が取れるというレベルがどこかに見えてくる

地方もそのレベルを探って誘致し、優遇策を取れば、工場が建って経済が潤う

さらに、観光客を誘致することもできるはずです

魅力的な観光地であることが条件ですが、アクセスに時間がかからないのならば、もっと来客数が増える。増えない方がおかしいです

なので、たった道路1本通っただけで、効果はあるしだいぶ違うと思うのですが…

そうもうまくはいかない、という現実があります

ストロー効果の問題

ストロー効果
それまで地域の拠点となっていた小都市が経路上の大都市の経済圏に取り込まれ、ヒト・モノ・カネがより求心力のある大都市に吸い取られる現象。

コトバンクより
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C-188732

単純にそうはいかないところが難点です

道路を作れば、地方が潤うと思いきや、現実は地方の人材やものやお金が大都市に吸い取られてしまう現象が起こってしまう!

どうやらこれは、大都市の方が魅了があるから、ということに尽きるようです

なので、
道路を作るからには、地方も努力しないと発展にはつながらない、ということを意味します

自然破壊

高速道路建設に伴って、地域の自然が破壊されていくことは避けられません

これをどう考えたらいいのか、ということですが…

人間は環境を破壊して生きてきたところがあります

稲作だって、それまでの環境を作り替えて水田を作っている

水田に適応した生物がいるだけ、とも考えられる

これと一緒で、環境を作り変えながら、人間は生きてきました

じゃあ、高速道路を作るにあたって環境問題をどう考えたらいいんでしょう?

貴重な自然が目の前にあり、道路建設で潰されたらもう2度と戻らない

しかし、道路を作ったら、経済が発展する

食糧生産じゃないだけで、道路建設だってある意味では稲作と同じじゃないのか?

どちらをとったらいいんでしょうね?

自然を残す場合の利益と、経済的利益のどちらに重きを置くか、ということに関係すると思いますが、ちょっとそれだけでも判断は難しい

 調和は大事、だけど人が優先

現実として、自然を残していかないといけないというのはあります。だけど、生きていくには人も優先しないといけない。じゃあ、人を優先して得た経済的利益で自然を復活させればいいじゃないか、という意見だってあるでしょう

おそらくこれは、短期的に解決できる問題ではありません

作りっぱなしじゃなくて活用しよう

ストロー効果も起こるかもしれないし、自然だって破壊してしまう。作ってみたらいらない道路、ということにならないようにするためには、やはり活用するしかないです

じゃないと、宝の持ち腐れです

そのためにはどうしたらいいのか?

 知恵を絞る

ストロー現象を防ぐには、地方が道路を含めた都市のあり方を考えるしかないし、魅力のある都市づくりをしていかないといけません

自然環境問題については、答えがないと思います。自然に優しい人間なんてそもそもないのかもしれませんし…

ですが、ともかく、全体の合意を得る努力はしていかないといけないんじゃないでしょうか?

評価に応じた税金の配分をしたらどうか?(高速道路の稼働率を上げる)

作りっぱなしにしない、ということで言うなら、運用に色々と変化をつけてみたらどうなんだろう?と思うのですが…

例えば、車がインターチェンジで降りた数をポイントとして換算し、それに応じた税金の配分をする、とか、車が通過した数に応じて何らかの補填措置を与えるとか…

そうすることで地域間の競争が起こるようになってくれれば、観光を活性化しよう、だったり、産業を育成しよう、だったり、産業を誘致しよう、と言う流れが出てくるのではないか、と(私が思いついただけの意見です)

作っただけで稼働率ゼロでは意味がないし、稼働率によって恩恵を与えるようにすれば、いろいろと新しい方向性が見えてくるように思います

まとめ

高速道路は、まさに大動脈です
そんな高速道路の稼働率、上げる方法を考えれば、きっともっといいこといっぱいです

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