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関税の話

 

 

関税とは?

輸入品に対してかけられる税金のこと

 

 

関税の役割

  • 国内市場保護
  • 外国企業の国内調達率を上昇させる目的
  • 国家税収の確保

 

 

ベースとなる原理、考え方

比較生産費説

リカードによって提唱された外国貿易および国際分業に関する基礎理論。一国における各商品の生産費の比を他国のそれと比較し、優位の商品を輸出して劣位の商品を輸入すれば双方が利益を得て国際分業が行われるという説。比較優位説。
[補説]労働量1単位で、A国はパン4個か毛布2枚、B国はパン3個か毛布1枚が生産可能とした場合、どちらもA国のほうが効率的だが、B国では毛布1枚を諦めればパン3個が生産できるため、パンの機会費用が少ない。A国が毛布、B国がパンに特化し、貿易を行うほうがよい

 

関税自主権

国際法上、独立国がその主権に基づいて自主的に関税制度を定め、運営する権利。

 

小学館 デジタル大辞泉 より

 

つまり、貿易をすることで、各国の得意分野を伸ばし、不得意分野を補うことができるので、利益になる、ということですね

 

いわば、非効率部分を縮小させ、得意の分野を伸ばすことで、利益を伸ばすことができるが、それを各国が貿易でお互いに行えば、経済的な無駄を排除し、お互いの利益に繋がる、という考え方です

 

 

でも、これって、普通のことですよね

それまで農業を営んでいたんだけれど、農業ができない状況になったので労働者になった。だけど労働者だと食料を自給できないから、労働者として働くことで得た収入で食料を買う、という関係に似ています

 

買いたい、売りたい、という要望を叶える「市場」が間に入ることで、農家と労働者をつないでいますよね

 

これと同じことを国家間で行っている、ということになります

 

 

 

じゃあ、貿易って誰が行う行為か、というと、民間人か法人です

そして、市場はあるけれど、直接的にはそれを誰もコントロールできない

それぞれの国家は、貿易を自国に入ってきたり輸出する分について監視したり規制することでのみ、市場に対して関与できます

 

 

市場を直接、従わせることはできません

直接関与したら、それこそ自由な貿易ではないですもんね

 

 

ということで、

市場においては、国家も個人も同列の主体

ただ、国家は国民を含んでいる大きな主体

 

 

その国家で決定した関税により、国民は輸入品を元の値段より高い値段で買うことになるが、関税があることで国内産業が保護されている面もある

 

つまり、関税は国家全体のためであり、国民のためでもある

 

個人の感覚では、買ったらその分だけかかってくる税金なので、消費税みたいな税金です

 

 

 

自由貿易の意味

自由貿易とは

 

自由貿易 完全競争原理を国際的に適用させようとすること
その反対の考え方が保護貿易

 

完全競争原理がなぜいいとされるか、というと、生産者と消費者は、市場価格による生産と消費によって、お互いに最大の利益を享受できるからです

 

ただ、そんなに単純なものでもありません

 

この考え方が進むと、効率が悪い産業は、いずれ衰退することになります

その産業にいた人たちを効率の良い産業に移していくことは、簡単なことではありません

 

それに、雇用はいつでも再就職可能なほど流動的ではなく、個人のスキルという面でも、それを生かすか再教育で補うのも限界があります

 

自由貿易を進めることは、結局のところ、外国との競争と、国内における優位な産業と非効率な産業間の競争を深めることになります

 

 

行き過ぎた自由化は、諸刃の剣といえるでしょう

 

 

 

WTOまでの変遷

背景として、行き過ぎた保護貿易(ブロック経済)により各国間の経済的対立を激化させ、これが第二次世界大戦発生の原因の一つになった、との反省がある

世界恐慌後 ブロック経済(大国と植民地間の保護貿易)

第二次大戦

第二次大戦後 ブレトン・ウッズ体制の発効
ドルを基軸通貨とし、ドルと各国の通貨の交換比率を一定に保つことで自由貿易を発展させ、世界経済を安定させよう、とする仕組み

1947年 GATT(関税および貿易に関する一般協定)体制
ここでは農産物やサービス分野は対象外

1995年 WTO(世界貿易機関)体制
農産物やサービス分野も対象

結果として、各国政府による保護・管理機能は低下した

 

現在に至る

 

 

 

WTOへの批判

自由貿易は世界的格差の拡大をもたらしたのではないか?

 

 

ヨーロッパ統合も、アジア経済圏の樹立の動きも、TPPも、関税を低くしてお互いの関係を強め、経済的利益を多くし、戦争しなくても済むようにしましょう、という考え方に基づいていますね

 

だけど、それが行き過ぎた結果として、問題も起きている

 

格差の拡大です

 

 

自由貿易の副産物

巨大資本が世界中を席巻し、貧富の差の拡大をもたらしています

 

 

自由にする概念とは?

自由の反対語は統制、束縛

 

 

なので、
行き過ぎた自由は適度な統制よりも弊害が多い、のかもしれません…

 

 

私たちあるいはその子孫は、現在でいうGAFAのような利便性をもたらしている巨大資本の動向に生活の多くを左右されそうなので、どうやってそれらを規制し、貧富の差を無くしていくか、が課題になります

 

 

別に、GAFAだって、そうなりたくてなったんじゃなくて、巨大化してみたら、自分が歩くだけで地震が起きるようになった、さあどうしよう!でもGAFA自身にはそんなこと考慮する責任はないんだけど(だって、規制されたら商売しにくいんだもん!)、というところでしょうか

 

 

実際の関税 対アメリカ

日本製乗用自動車 日本 → アメリカ 2.5パーセント

日本製トラック  日本 → アメリカ 25パーセント

※日本はアメリカからの自動車には関税をかけていない

 

アメリカ産牛肉 アメリカ → 日本 段階的に9パーセントへ

それまでは38.5パーセントだった

 

 

参考
年度平均の和牛(A5ランク)価格 1キロ当たり2808円
年度平均の乳牛(B2ランク)価格 1キロ当たり1039円
アメリカ産牛肉輸入価格 1キロ当たり 約520円

出典
JA全農ミートフーズ株式会社HP
https://www.jazmf.co.jp/market/situation/domestic_cattle.html
世界経済のネタ帳
https://ecodb.net/commodity/beef.html

 

日本は車など工業製品を輸出して、農産物を買っています
それぞれの強みを生かしている例として、自動車と牛肉で比較しています

 

 

思うこと

関税撤廃したら輸入車は安くなりますが、すでにアメリカ製の自動車は関税が撤廃されています

アメリカの工業製品に対して、日本がかけている関税は低いので、関税が撤廃されてもそんなに値段は変わらないでしょう

 

なお、工業製品に関していえば、関税回避のために現地生産を行ったりもしているので、昔ほど関税による争いはないのでしょうが…農産物に関して言えば、現地生産というのはあまり馴染まないので、関税による対立が起きやすくなるでしょう

 

現在の国際的な考え方の流れでは、自由貿易の傾向はまだまだ続くでしょうから、それに合わせるということで言えば、日本は得意を伸ばしていく必要がありそうです

一方で、それを押し進めると、日本における農村地帯や地方が疲弊していくので、その保護と振興も行わないといけません

 

いわば、二正面作成を強いられることになる訳です

 

 

得られるものと失われるもの、どちらを重視するか、問われているのかもしれません

 

失われるものを失ってしまうと、もしかしたら、2度と得ることができなくなってしまう恐れもあります

 

それは、文化だったり、精神的な結びつきだったりする場合もあります

 

 

自由貿易が進むことは、破壊が伴うことでもあり、創造も伴うのですが…

 

国としての形を作るのは歴史だったり文化だったりするのならば、非効率だから、といって切り捨てていいものではありませんよね

 

 

私たちは現在、他者と自らの関係を問い直す局面に立たされているのかもしれません

 

 

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