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道路はどうやってできるのか(経済学的分類)

2020年1月29日

道路の特徴

公共財とは何か

公共財 public goods

 公衆衛生,道路,公園,消防,警察,国防など,次の2つの特徴を有する財およびサービス。 (1) 特定の人 (消費者) をその財 (サービス) の消費から排除することができない (排除不可能性) 。 (2) 同時に多くの人々によって消費されることが可能で,したがって消費者の間でその財の消費をめぐる競合の余地が生じない (消費の集団性) 。環境は公共財であり,それを破壊する公害は負の公共財とみなすことができる。市場機構は公共財に関して機能しないため,公共財は非市場的に供給される必要がある。

『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』より

 つまり、特定の人だけ「これを使ってはいけない」と排除することができず、同時に多人数で利用可能で、また利用をめぐる争いが起きないもの、それが公共財です

 道路も公共財、と分類できるそうです

表にすると、こんな感じ

排除不可能排除可能
非競合性公共財準公共財(クラブ財)
競合性準公共財(共有資源)私的財

特定の人だけに利用を限ることができる財(排除可能)

  •  私的財

  お金を払う必要があり、お金を払った人だけが利用できる
  お店に行ってお金を払って買ってくる一般的な商品(普通の経済学が扱っている部分はこれ)

  •  準公共財(クラブ財)

  お金を払う必要があり、お金を払った人は同時にみんなで利用できる
  インターネット、衛星放送、電気、水道、ガス

特定の人だけ「これを使ってはいけない」と排除することができない財(排除不可能)

  •  準公共財(共有資源)

  お金を払う必要はないけれど数に限りがあって利用に制限がある
  農地、森林、牧草地、混雑する一般道路

  •  公共財

  お金を払う必要がなく、同時にみんなで利用できる
  公園、警察、国防、消防、行政サービス、混雑しない一般道路
  

 なお、同時に複数の要素を含むものもありますので、完全には分類できません

公共財がかかえる問題

供給過少

 お金を払わなくても誰でも使えるので、料金徴収が完全にされないため、サービス提供者が余計な負担を強いられることになる。その結果、本来より高い費用でサービス提供されることになり、供給量が減少(損失が発生するのでそんなに作れなくなる)、サービスが行き届かなくなる


フリーライダー

 お金を払わなくても誰でも使えるため、わざとお金を払わないでサービスにタダ乗りする人。フリーライダーが必ず出るので、供給過少が生じる

需要測定が困難

 必要性が無いと思うサービスでも、作られれば利用する可能性があり(無料で自由に利用可能だから)、事前に必要なのか不必要なのかを判断することが完全には把握できない

政治過程で決められる

 公共財は国あるいは地方公共団体の予算案の作成・承認・実施の過程を経て作られる。それゆえ、有権者、政党、利益集団、行政の利害が絡むので、経済的な効率性を完全には維持できない
 
 
 という特徴があります

 道路についても、公共財であるがゆえに、必要な道路が作られず、フリーライダーが発生し、需要測定が困難なので道路計画が立てづらく、その決定もまた経済的な効率性から見れば完全で無い、という問題が生じます

 個人で独占できる物では無いので、誰かにとっては必要だし、誰かにとっては無くてもよく、あればあったで利用したりもする。そして無料だから個人としてはお金を払わないでタダ乗りした方がお金も減らない、ということで税金を払わない人も出る。利害が絡んでくるのでたまに経済的な非効率(失敗)が生じる(必要性の低い道路ができる可能性はゼロでは無い)

 こう考えると、一度、道路を作ろうとすると、とても慎重な作業を要するように見えますね

 これだけで一つの学問分野なので、突っ込んでいくと一生かかってしまいます。なので、わかる範囲で大雑把にまとめました

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