「最近、新車がやたらと高く感じる…」
そう思っている方は少なくないでしょう。実際、同じグレード・装備でも数年前に比べ価格が上昇しているケースが多く報告されています。
その背景には、ただの「モデルチェンジ価格アップ」だけではなく、円安という為替変動が深く関わっていることをご存じでしょうか。今回は、「新車が高い」と感じる理由を、円安・部品コスト・輸送コスト・国内部品調達の減少といった観点から整理してみます。
1.「新車が高い」と感じるワケ
まず、新車価格が高くなってしまっている主な原因を簡潔に整理します。
- モデルチェンジや新技術(安全装備・自動運転機能・EV化など)の影響
- 原材料・部品価格の高騰(鉄鋼・アルミ・半導体など)
- 物流・輸送コストの上昇
- 為替、特に「円安」の影響
これらが複合的に絡みあっており、価格が上昇する“土壌”ができています。特に為替変動は、「国産車だから為替関係ないだろう」と思われがちですが、実際には少なからぬ影響があります。
2.円安が自動車価格に与える影響とは?
・輸入車の価格上昇
海外ブランドの車両や部品を多く使うモデルでは、円安によって車両本体価格がダイレクトに上がるという報告があります。例えば、2022年初頭から輸入車では約10%の値上げが行われたという例も。 自動車情報誌「ベストカー」+2クルマ自動車...+2
輸出向けの完成車では、円安によって企業収益にはプラス要因になる一方、輸入部品を使う国内モデルや輸入車では「原価アップ → 価格転嫁」になる構図です。 WEB CARTOP+1
・国産車は影響が少ない?いや、部品で食らっている
国産車だから為替の影響は無い、というわけではありません。国内生産であっても、部品の多くが海外から輸入されているため、円安によって部品コストが上がり、それが車両価格の上昇圧力となっています。 MOTA(旧オートックワン)+1
また、エネルギー・物流など、国内製造でも輸入に依存するコストがあるため、円安=コスト上昇のトリガーになりえます。 go.orixrentec.jp+1
・「13年の節目」「中古車価格逆転」などの波及
円安の影響は新車にとどまらず、中古車市場や維持コストにも波及しています。例えば円安で輸出が増え、国内中古車の供給が減少した結果、中古車価格も上昇しているという報告があります。 used-car-buyer.net
また、13年を超えた登録車では税金増という制度的な壁もあり、新車に対して「高いイメージ」がさらに強まっています。
3.新車価格が“高くなる”メカニズムを押さえる
なぜ具体的に「価格が上がる」のか、メカニズムを少し解説します。
① 為替影響 → 輸入・部品コスト増
海外から輸入する部材(アルミ、半導体、外装材など)が、円安で日本円換算時に高くなります。部品メーカーが「コスト負担増」に直面しているという記事もあります。 東洋経済オンライン
これを受けて車両メーカーは、部品コストの上昇分を価格転嫁せざるを得ないことが多いです。
② 輸送・物流コスト増
更に、海外からの部品輸送・完成車の輸送・国内物流でも「燃料高・運賃高」が進行中。特に日本はエネルギー・燃料を輸入に依存しているため、円安+燃料高のダブルパンチです。 go.orixrentec.jp+1
③ 技術・安全規制の強化
安全装備や環境対応技術が進む中で、車両開発コストが上昇しています。これが価格増の要因の一つですが、為替による部品・資材コスト上昇がこの価格ベースをさらに押し上げています。
④ 値上げに踏み切るタイミング
部品在庫調整や契約為替レート、販売計画などの兼ね合いから、車両価格の改定は「契約通貨の変動を受けてから数カ月後に」行われることも多く、気づいたら価格が上がっていたという状況になります。
4.「じゃあ買わないほうがいい?」ではなく“賢く”新車を選ぶために
新車が高いからと言って購入を諦める必要はありませんが、賢く選ぶポイントはあります。
✅ 選ぶ時期やモデルを見極める
- モデルチェンジ直前や在庫車を狙うと、値引きや旧型設定で割安に買えることも。
- 為替が落ち着いているタイミングを狙うのも一手です。円安が極端に進む局面では値上げのリスクが高まります。
✅ 輸入車より国産車を検討
輸入車は為替の影響が大きく、そのまま価格に反映される可能性が高いです。国産車なら為替影響をやや抑えられるケースもあります。とはいえ部品輸入があるため完全無縁ではありません。
✅ 中古車やリースも視野に入れる
新車価格が上がっている今、中古車やカーリースなど、初期コストを抑える選択肢も増えています。
特に事業用途やファミリー利用であれば、月額固定のリース契約が安心です。
✅ 維持費も考慮する
車両価格だけでなく、燃料・税金・保険・部品価格も円安等の影響を受ける可能性があります。購入前には10年・13年スパンでの維持コストも見ておきましょう。
5.まとめ:新車が高いという現実を受け入れつつ、選択肢を広げよう
「新車 高い」という印象は、単なる価格上昇ではなく、円安・部品コスト高・物流費増・技術・規制強化という複数要因が重なった結果です。
円安が進行する中、特に輸入車や部品依存度の高いモデルでは価格上昇の影響が目立っています。
しかし、だからといって車を諦める必要はありません。
重要なのは、タイミングを見極め、モデルを選び、制度を活用すること。
もし初期コストを抑えたいなら、リースや中古車、あるいは既存車を長く使う選択肢もあります。
将来を見据え、「どの車を・いつ買うか・どう使うか」をじっくり考えることで、納得のいくカーライフを実現できます。
この機会に、新車購入の見直しと選択肢の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
https://thirdwaver.net/2020/08/12/weaker-yen/