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【最新版】車の水抜き剤とは?使う意味・効果・タイミングを徹底解説

車のメンテナンス用品のひとつとして、「水抜き剤」という名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、「本当に必要なの?」「いつ使うの?」「入れすぎても大丈夫?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

実はこの水抜き剤、昔の車では欠かせないアイテムでしたが、今の車では使う場面が限られています
この記事では、最新の車事情を踏まえて「水抜き剤を使う意味」「正しい使い方」「使うべきタイミング」について詳しく解説します。


■ ズバリ、水抜き剤を使うべきタイミングは?

結論から言うと、最近の車で水抜き剤を使う意味があるのは、「走行中にエンジンがガタガタと不調を起こしたとき」だけです。

普段は快調に走っていたのに、
急にエンジンの出力が落ちて、まるでガス欠のように失速する。
しばらく走ると元に戻るが、また同じような症状を繰り返す――。

こういった現象が起きる場合、燃料タンク内にたまった「水」が原因の可能性があります。
そんなときに水抜き剤の出番です。


■ 水抜き剤とは?

水抜き剤とは、燃料タンク内に混入・発生した水分を除去するための添加剤です。

燃料タンクにはガソリンや軽油が入っていますが、使用環境や気温変化によって自然に水が発生(結露)したり、給油時に混入したりすることがあります。
この水はタンクを分解しない限り取り除けないため、水抜き剤で燃料と水を化学的に混ぜて燃焼させるという仕組みが取られます。


■ 水抜き剤の成分と仕組み

主成分は「イソプロピルアルコール(IPA)」。
医療用の消毒液やレンズクリーナーにも使われるアルコールで、水にもガソリンにも溶ける性質を持っています。

水抜き剤は、この性質を利用して、タンク内にある水をガソリンと混ざるように変化させます。
混ざった水分は燃料と一緒に燃焼され、結果的にタンク内の水が“抜けた”状態になるのです。


■ 水抜き剤の使い方

使い方は非常に簡単です。

  1. 給油口を開ける
  2. 水抜き剤を直接タンクに入れる
  3. そのあとに給油する

ポイントは「燃料が少ない状態で入れる」こと。
水抜き剤の効果を最大限にするためには、燃料が少ないタイミングで添加し、そのあとに満タンまで給油するとよいでしょう。

使用量はボトルに記載された指示に従うこと。
入れすぎると燃料ホースやゴム部品を傷める恐れがあるので注意が必要です。


■ 昔より使う意味が減った理由

水抜き剤は昔の車ではよく使われていましたが、最近の車では使用する意味が薄くなっています。
その理由は、燃料タンクの素材が金属から樹脂(プラスチック)に変わったためです。

昔の金属製タンクでは、水が溜まるとサビの原因になり、タンクの劣化や燃料フィルターの詰まりを引き起こしました。
しかし、現在の車の多くはサビない樹脂製タンクを採用しており、水分の影響をほとんど受けません。

さらに、燃料をタンクの底から汲み上げる構造のため、少量の水であれば燃料と一緒に燃焼される設計になっています。
そのため、日常的に水抜き剤を使用する必要はほとんどないのです。


■ それでも使ったほうがいいケース

それでも水抜き剤を使う意味があるのは、以下のような場合です。

  • 古い車(金属製タンクを使用している)
  • 冬場や梅雨時期など、結露が起こりやすい季節
  • 給油後にエンジンの調子が悪くなった場合

古い車ではタンク内でサビが発生しやすく、サビが燃料系統を詰まらせる原因になります。
また、寒冷地ではタンク内の水分が凍結して燃料の流れを妨げることもあるため、冬前に水抜き剤を使用しておくのは有効です。


■ 水がたまる原因とは?

燃料タンクに水がたまる理由はいくつかあります。

  1. 給油時の混入
     スタンドのタンクや給油ノズルに微量の水分がある場合、それが混入することがあります。
  2. タンク内の結露
     気温差が激しいと、タンク内壁に結露が発生し、水が溜まります。
  3. 燃料キャップからの空気流入
     燃料キャップにはタンク内圧を調整するバルブがあり、外気が入ることで結露が起こる場合もあります。

このように、水は自然にタンク内に発生してしまうものなのです。


■ 水をためないための予防法

水をためないためにできることは、次の3つです。

  • 燃料を常に満タンにしておく(タンク内の空気を減らすことで結露を防ぐ)
  • 冬や梅雨前に水抜き剤を使う
  • 屋内や温度変化の少ない場所に車を保管する

この3つを実践するだけで、燃料タンク内に水がたまりにくくなり、
エンジントラブルのリスクを大幅に下げることができます。


■ 水抜き剤の注意点

  • 頻繁に使いすぎないこと
     アルコール濃度が高くなりすぎると、ゴムパッキンや樹脂部品を劣化させます。
  • 燃料の種類に合った製品を選ぶ
     ガソリン用とディーゼル用では成分が異なります。間違えると逆効果になることも。
  • 症状が出ていないなら無理に使わない
     不調がないのに添加しても意味がないどころか、逆に燃料系を痛める場合があります。

■ まとめ|水抜き剤は「必要なときだけ」使うのが正解

かつては必需品だった水抜き剤も、今では**「症状が出たときの対処アイテム」**に変わりました。

  • エンジンのガタつきや出力低下があるとき
  • 古い車を所有している場合
  • 結露が発生しやすい冬・梅雨の前

このようなときに使用するのがベストです。

逆に、新しい車に何のトラブルもない状態で頻繁に使う必要はありません。
適切なタイミングで、正しい量を使うことが、水抜き剤の最大の効果を発揮させるポイントです。


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