スマートキーとは?
鍵を持っているだけで、ボタンを押さなくてもドアノブを引いたり触るだけで開錠できたり、車に近づくだけで開錠、遠ざかれば施錠してくれたりする
(万が一の時のために、物理的なキーがリモコン内に内蔵されている)
キーレスエントリーとは?
キーのボタンを押せば開錠・施錠ができるが、ボタンを押さなければいけない
(リモコン部と物理的なキーが一体になっている)
スマートキーがロックを解除する仕組み
- キーの所有者が車両に近づいたり、車両のドアハンドルに触る
- 車の発信機から微弱な電波が発信される
- それを受信したスマートキーが自動で応答用の電波を発信する
- その電波をセンサーが受信してドアロックの解錠・施錠が行われる
スマートキーを紛失すると、システムのコンピュータそのものまで交換になるので、最大で10万円ほどかかります!キーの再設定も必要になるので、時間もかかります!
ディーラー以外でもスマートキーの登録をしてくれるところがあります
これは、特殊な機械さえ持っていて、その扱いができれば可能のようです
登録されていないキーと登録したい車、それに特殊な機械さえあれば、登録はできてしまいます(各自でお調べください…ネット上に、動画だったり文章の形式でやり方が出ています)
電波のやり取り 送信機と受信機
無線機器の場合、電波を送る送信機と、電波を受信する受信機があります
通信する、ということは、電波をやり取りすることで成り立ちます
スマートキーもまた、小型の送信機と受信機を備えています
電波が微弱なため、送受信できる範囲が狭いです
そのため、スマートキーが車と離れていれば(キーの持ち主が車から離れていれば)通常想定される利用方法では車のドアは開かないし、エンジンもかけられないことになります
リレーアタック
ところが、この特性をある方法で悪用し、車を盗難する手口が問題となっています
リレーアタック、と呼ばれます
手口は…
- 犯行グループAが運転手に近づく
- 特殊な装置でスマートキーの電波を受信する
- その電波を増幅させて犯行グループBに送信
- 犯行グループBは受信機を持って車に近づく(スマートキーの電波を中継する)
- ドアノブに触れると解錠される
- エンジンをかけて盗難
というものになります
スマートキーの電波を増幅して遠くまで送信し、それを車に届く状態で操作すれば、あたかもスマートキーが近くにあるのと同じと車が判断してしまうので、車を盗難することができてしまう、というわけです
便利だけど…不便?
スマートキーは確かに便利ではありますが、不便なところもあります
キーを紛失した場合、車を動かせなくなること
キーの電池がなくなると、車を動かせなくなること
車内にキーを置いたままでもしキーの電池がなくなると、最悪の場合、車がロックしてしまうこと
セキュリティの問題
キーを紛失した場合、車を元の状態で使えるようにするためには費用と時間が多くかかること
しかも、スマートキー内部には、物理的な鍵が内蔵されています
万が一の時は、バックドアあたりにある鍵穴からそれを差し込んでロックを解除できるようにするためですが…
何だか本末転倒のような気もします
物理的なキーの方がセキュリティ的には上?
便利さと引き換えに、今度はそれを紛失した時の不便さが出てくることになります
だったら、
普通のキーを使っている方がまだセキュリティがいいんじゃないの?という気もします…
防犯対策とはいえ、インロックしてしまった!というトラブルはよく起こります
通常使用で重大なトラブルが起こるようなシステムなら、導入しない方のメリットを重く見るべきだ、と思うのですが…
セキュリティあれこれ
車に限らず、一般的なセキュリティになると、以下のようなものになると思います
物理的な鍵を使用
指紋で認証
静脈で認証
網膜で認証
パスワードで認証
スマホで認証
いわば、物理的な鍵を使わない場合は、他の手段で本人であることを認識することになるので、その方法の違い、といえます
生体認証の概念は生物としての固有性に拠る、デジタル鍵の概念は掛け算
生体認証の場合は、人それぞれ違っている指紋や静脈や網膜のパターンを読み取って認証します
デジタル暗号の場合は、簡単に言えば、ものすごく桁数が多い素数と素数を掛け算することによって暗号にしています
素数を特定するのにコンピュータでも時間がかかりすぎるので、セキュリティが保たれている、ということになります
車の場合、エンジンかかったらもうおしまい
車の場合でいうと、どんな手段を使おうとも、エンジンをかけることができれば走ることができるので、盗難できてしまうことになります
ともかく、ドアをロックすることで車内に入らせないことが第一段階、車内に入れてもセキュリティを通さないとエンジンがかけられないようにすることが第二段階となります
ハイブリッド車のように、ハイブリッドシステムが起動しないと走れない車もあります
とするなら、
一般的な車の場合は、もう一つの段階として、簡単にイグニッションコイルに通電しないような段階を作ればいい、ということになりそうです
それが何か、が問題になりますが、スマートキーとは別に本人認証用の機能をスマホに持たせられるようにする、とか、車内に乗り込んだら指紋認証かパターン認証を経ないとエンジンがかからないようにするとか、手段は色々とあると思います
少なくとも、ドアの開錠用の鍵とエンジン始動用のキーが別になっているのなら、開錠用のキーはスマートキーでなくてもリモコンキー(ドアの開閉のみをボタンでできるキー)で足りるかもしれませんし、車内に乗ってからでも指紋かパターンをなぞるだけならば、キーをどこかに忘れることもないはずです
このシステムをさらに発展させて、任意保険と紐付けできれば、保険の補償範囲の人しかエンジンをかけられないようにすることもできるかもしれませんし、車検証が電子化されて、車が通信によって管理される世の中が訪れたときには、車検切れの車が走れないように対策を取ることも可能かもしれません
結局は暗号
セキュリティとはつまり、暗号に行き着きます
そして、
破られない暗号はありません
破られにくい暗号があるだけです
今後、ますます車がコンピュータ化していくのであれば、コンピュータのように将来、車に電子証明書発行が必要になるかもしれません
そうなった場合は、証明書の認証機関が重要な意味を持つことになります
全ては利便性のため、なのですが…
結局は、高度なスマートキーより、原始的な鍵の方がまだマシかもしれない…などと思うのは私だけでしょうか?
鍵をかけなくても盗まれたりしない世界だったらいいんですけどね…